(僕の丸かじりシリーズ文庫本コレクションの表紙)
本屋にフラッと立ち寄ったとき、つい自然と手が伸びて買ってしまう文庫本があります。
東海林さだおの「○○の丸かじり」シリーズ(文春文庫)です。
1話で7ページくらいの食べ物に関するエッセイが、30話くらい集まって1つの文庫本になっています。
上の写真は僕の丸かじりシリーズコレクションです。表紙が見えるように並べてみました。
表紙や文中の挿絵は、マンガ家でもある東海林さだおさんの直筆イラストです。
表紙の絵がユーモラスで、無意識に集めたくなってしまうのです。
(僕の丸かじりシリーズ文庫本コレクションの背表紙)
僕の丸かじりシリーズコレクション
丸かじりシリーズは、もともと雑誌「週刊朝日」の連載「あれも食いたいこれも食いたい」をまとめたものです。この連載、1987年に開始なので、なんと30年以上続いていることになります。しかもいまだに連載中とはスゴイ!
現在、僕が持っている丸かじりシリーズのコレクションは21冊です。
- アンパンの丸かじり
- いかめしの丸かじり
- おにぎりの丸かじり
- コロッケの丸かじり
- サンマの丸かじり
- 鯛焼きの丸かじり
- タケノコの丸かじり
- タコの丸かじり
- だんごの丸かじり
- どら焼きの丸かじり
- ナマズの丸かじり
- 昼メシの丸かじり
- ホルモンの丸かじり
- 目玉焼きの丸かじり
- メロンの丸かじり
- メンチカツの丸かじり
- ゆで卵の丸かじり
- レバ刺しの丸かじり
- ワニの丸かじり
- ホットドッグの丸かじり
- パンの耳の丸かじり
これだけ似たようなタイトルだと、同じものを買ってしまいがちです。
そこで防止策として、買った本のタイトルをテキストファイルに書き出して、共有ストレージのDropboxに保存して、新しく丸かじりシリーズを買う前にそれを確認するようにしています。
丸かじりシリーズの魅力とは
東海林さだおの丸かじりシリーズの魅力はズバリ、「どうでもいいことを面白く描いている」ところです。
たとえば「ワニの丸かじり」の中のひとつに「午後二時のラーメン屋」という話があります。その冒頭部分を抜粋します。
すいているし、なんかこう、店内がしみじみしている。店主は顔つきがしみじみしているし、寸胴鍋の湯やスープもしみじみ煮えている。
昼めしどきの喧騒が終わって、そのあと始末もひと段落し、カウンターなんかも拭き終わって、コショウや箸立ての位置も正し、ようやくホッとひと息つく、というのがちょうど午後二時あたりになるだろうか。
このころにラーメン屋に来る客は、大体しみじみした客で、しみじみした客がしみじみした声で「ラーメン」と注文する。
午後二時のラーメン屋のことなんて、本当にとるに足らない題材なのに、東海林さだおさんの手にかかれば、店内の雰囲気が目の前に浮かび「そうそう、あるある。」と思わずうなずいてしまいます。
何気ない日常生活からユーモアたっぷりの極上エッセイを生み出す東海林さだおさん。
冷蔵庫の残りものから高級フレンチを作ってしまうようなスゴさがあります。
僕の尊敬する作家の一人です。