「コクリコ坂から」は、スタジオジブリの作品の中でいちばん好きな映画です。
1964年の東京オリンピック直前の横浜を舞台にした、すがすがしい青春映画です。
主人公の松崎海は1960年代の女子高生です。ということは、もし主人公が2019年のいまに生きていたとしたら・・・70代のおばあちゃんです。
70代の方がこの映画を観たら、きっと青春時代を思い出すことでしょう。
「コクリコ坂から」作品概要
- 公開:2011年7月
- 原作:佐山哲郎
- 監督:宮崎吾朗
- 製作会社:スタジオジブリ
- 出演(声):長澤まさみ、岡田准一
- 主題歌:手嶌葵「さよならの夏 ~コクリコ坂から~」
- あらすじ:
1963年の横浜。主人公の女子高生、松崎海(うみ)の高校にある男子文化部の部室棟「カルチェラタン」は、老朽化で取り壊されようとしていた。新聞部の風間俊はカルチェラタンの取り壊し反対の運動をしており、海はその運動を手伝ううちに、次第に彼に恋心を抱く。しかし、あることがきっかけで、海の父は俊の父と同一人物であり、自分たちが兄妹であることが分かってしまう。そして物語後半、俊の出生について真実が明かされる。
「コクリコ坂から」のおすすめポイント
この映画のおすすめポイントです。
- 松崎海(長澤まさみ)、風間俊(岡田准一)の二人の声がとても気持ちよくて癒されます。
- 主人公を取り囲む声優陣が豪華で、しかも配役の声に違和感がなく馴染んでいます。(風間俊介、石田ゆり子、風吹ジュン、竹下景子、大森南朋、柊瑠美、内藤剛志、香川照之)
- 横浜の港町や、東京オリンピック前で高度成長期の元気な日本の風景が、懐かしさを誘います。
- ストーリーが小気味のよい展開でサクサク進みます。
- 映画の終わりかたが、実にさわやかです。映画を観た人が物語のその後を想像しやすいような、短くもなく、長くもない、絶妙な終わり方です。
「コクリコ坂から」のお気に入りシーン(ネタバレあり)
僕がこの映画で気に入っているシーンです。
カルチェラタンの住人たち
海と空が、男子文化部の部室棟「カルチェラタン」の建物に初めて入り、さまざまな部活動にいそしむ生徒たちを横目に階段を上がっていく。哲学部、天文学部、化学部、演劇部・・・。その中でアマチュア無線同好会では、生徒が興奮気味に無線機に向かって「ジスィズ ハイスクール スチューデント フロム ジャパン!」と必死に叫ぶ姿につい笑ってしまいます。
俊の出生の真相を知り、海が号泣するシーン
兄妹だと思っていた風間俊が、実は自分とは血がつながっていないことが分かり、海は母親の胸のなかで号泣します。好きだった人が兄妹ではなかったことに安堵して、涙があふれる海の姿に泣けてきます。
エンディングシーン
海と俊が、澤村雄一郎(海の父)と立花洋(俊の実父)と戦友だった小野寺善雄と会い、俊の父親は立花だったことをはっきり告げられます。小野寺は「立花と沢村の息子と娘に会えるなんて嬉しい。ありがとう。こんな嬉しいことはない。」と言い、3人で手をつなぎ合います。主題歌「さよならの夏」が流れ、船の汽笛がなります。シーンが変わり、海が自宅の庭から港を眺めるところで主題歌の2番が始まり、そこでアニメーションが終わり、静止画のエンドロールが流れ始めます。この絶妙な終わりかたに胸があつくなります。
ジブリ映画で「コクリコ坂から」がいちばん好き!
「コクリコ坂から」はジブリ映画の中で、最も作品としてのまとまりが良い、上質の映画です。
映画が公開された2011年、僕は映画館のスクリーンでこの作品を観て衝撃を受けました。
もしまだ観たことないかたがいらっしゃったら、ぜひおすすめの映画です。