先物・オプション取引がどういったものか、独学で学んでいます。
今回は書籍で日経225先物取引について学びました。
初めての日経225先物 ミニ&ラージで稼ぎ方までわかる本 改訂版
(田中彰・江口陽子著、スタンダーズ株式会社発行)
「株式投資の経験者だけど、先物取引は未経験」という方にピッタリの、わかりやすい本です。
【目次】
- 前置き
- Chapter.1 日経225先物の基礎知識
- Chapter.2 日経225先物の取引方法
- Chapter.3 日経225のテクニカル&注意すべき情報
- Chapter.4 日経225先物で稼ぐ投資家の手法
では、さっそく読み進めながら、新しく学んだところや気になったところをメモしていきます。
前回は「前置き」と「Chapter.1」を学んだので、今回は「Chapter.2」から「Chapter.4」までです。
Chapter.2 日経225先物の取引方法
- 複数の限月を同時に取引してもOK
- ミニとラージを同時に取引しても問題なし
- 初心者は順張りがおすすめ。比較的大きな損失は出さない手法だから。
- ミニで取引する場合でも、できるだけ取引が活発なメジャーSQの限月(3月、6月、9月、12月)を選んだほうがよい。
- 日経225先物を注文するときは、6つの要素を指定して注文する。
①3月限の(限月を選択)
②ミニを(ミニかラージを選択)
③1万9980円で(値段)
④1枚(枚数)
⑤指値で(注文方法)
⑥買い建てる(売りか買いかを選択) - 注文期間に条件をつけられる。
GFD:通常条件のこと。日中取引きが終了するまでの間だけ注文が有効
GTD:指定期間条件をつけること。指定した日の間はずっと注文が有効 - 複数枚数注文のとき、一部約定後の、残りの注文執行条件は3タイプある。
FAS(フィル・アンド・ストア):残りの注文は有効のままにする
FAK(フィル・アンド・キル):約定枚数以外の残りの注文は失効させる
FOK(フィル・オア・キル):全約定できないと、全注文を失効させる - 最良指値注文(MLO、マーケット・トゥ・リミット):板に合わせた最良気配値で約定する注文方法。最良値段の枚数より注文枚数が多かった場合、約定できなかった残りについて、注文時の最良気配値で指値注文を続行する(不利な値段で勝手に成行注文執行しない)。ザラバの時間のみ注文可能。
- 相場に応じて注文を変更できるOCO(One Cancels the Other)注文。2つの注文を同時に出して一方の注文が約定したときに、もう一方の注文が自動的にキャンセルされる。
- 「新規注文」と「反対売買」を同時に指定するIFD(イフダン、If Done)注文。相場をチェックできなくても売買1セットを自動的に行ってくれる。
- 先物取引は、両建て取引も可能。
Chapter.3 日経225のテクニカル&注意すべき情報
- 相場の分析方法には2種類ある。
①ファンダメンタル分析(金利、為替、GDP、雇用統計、政局、金融政策、石油相場、要人発言など)
②テクニカル分析(チャート表をさまざまな条件で分析) - テクニカル分析は2種類に分けられる。
①トレンドフォロー系(相場の流れを追いかける。移動平均線、MACD、ポリンジャーバンド、一目均衡表など)
②オシレーター系(買われすぎ売られすぎなどのポイントで判断。ストキャスティクス、RSI、RCI、CMOなど) - 重要なのは相場のトレンドを見極めること。
- 短期と長期の移動平均線でトレンドを把握。(ゴールデンクロス、デッドクラス)
- ラージ先物の出来高が20万枚を超える日は、相場が大きく動いているはず。
- マーケットプロファイル分析とは、朝から一定期間帯ごとに約定した値段を記録して、作成した表からその日のトレンドを分析する手法。
- 重要なニュースが発表された2、3分後にはすでに相場が動いているので、事前に重要なニュースに注目しておかないと遅い。
- 日経平均225先物を始めるうえで重要なことは、市場から退場しないといけないほどの損失を出さないことだ。
- GMOクリック証券の経済カレンダーはかなり便利。イベントの重要度が分かりやすいから。
- 1回の投資で大きく儲ける必要はない。1回で2、3%程度の利益があれば十分だ。何度も投資し大きく負けずに利益を重ねればよい。
Chapter.4 日経225先物で稼ぐ投資家の手法
「ゆうじ。」さんの手法
- 取引きのポイント
①大口投資家の動きを推察し、場合によってはついて行く。
②アルゴの動きを理解し、逆手にとる。
③枚数管理をしっかりと。流れが自分に向いているときは大胆に枚数を増やし、流れが向いてないと感じたら、無理せず枚数を減らす。意地を張らないことが肝心。 - 日経平均株価は、大きな事件や事故、ニュースなどの影響で突然暴落することがある。そんなときは、トレンドに乗って売りを仕掛ければ大きな利益をあげることができる。暴落したあとはリバウンドも大きいので、ここでも儲けることができるのだ。ただし、このタイミングを見極めるのはプロでも難しいので、十分注意。
- 暴落時の特徴:
①売りが殺到する。
②値が普段と比べて格段に速いスピードで落ちていく。
③板の注文がスカスカ(注文が普段の10分の1程度になる)。 - 暴落後のリバウンドになるときの特徴:
①依然、売りが続く。
②売りが入る割には、値が下がっていかない。 - 場中は、ほとんど板から目を離すことはない。
- 板で注目したいのは売り気配、現値、買い気配、そして約定した枚数。また、アップティック(買い注文により、現値より上の値段をつけて約定すること)で買われると色が変わるようになっているが、この場合は「どうしても欲しい」という強い意志の表れなので、とくに大口の買いが多く入ったときは「買い」の追随を意識する。
- 投資サイト「トレーダーズウェブ」の「先物・手口情報」で、大手証券会社が売っているのか買っているのか分かる。中でもGS(ゴールドマンサックス)の動きには、ついて行ったほうがよい。リーマンショック直前、TOPIXの買いポジションをほとんど閉じていた。何か特別な情報を得て売ったと考えれる。
- 先物の売買では枚数の管理が大切。最初、5枚程度の少ない枚数で入る。値が上がると思って買うのであるが、値動きはどうなるか誰にも予測できない。疑心暗鬼の中でポジションを持つのである。その後、自分が思った通りの方向に値が動き、自信が出たら一瞬で枚数を増やす。
「堀川秀樹」さんの手法
- 取引きのポイント
①スイングは過去4日間のレンジブレークでIN(あまり値が動かないボックス相場のとき、大きなニュースや事件などで安値を大きく割って下落してきたら売りサイン)
②デイトレはイニシャルレンジ(IR)をブレークでIN(相場開始から1時間強の安値と高値をチェックしたのがIR。このIRを抜いて上昇したときは買いサイン)
③夜間は世界各国の市場と為替の材料を意識。夜間取引で値動きが小さくボックス相場になった場合は、小幅な利益を狙う。 - 先物でもっとも儲かる人は、小刻みに売買せずにずっと持っている人だ。
- 大切なのは、他人の手法を参考に、自分で売買のやり方を見出すこと。
「ボラボラ」さんの手法
- 取引きのポイント
①視野を広く、まずは全体の流れや世界全体に目を配ったうえで、個々の場面で売り買いを判断する。
②各国中央銀行の金融政策を売買の判断に活かす。
③中国、原油の価格、月ごとの特徴も判断の材料に。 - 先物は、大きな利益が期待できる一方で、100円、200円の負けを数回繰り返しただけで、投下した枚数によっては資産のほとんどが消し飛んでしまうこともある。ラクして稼ぎたいのならば、先物は大変危険なので、あまり向かない。
- 先物価格に影響をおよぼす世界のニュース。世界各国の中央銀行の施策。中国の景気動向。原油価格。財政危機。地政学的リスク。
- 損失を小さくするには、次の事項を常に意識する。
①いくら値が動くと、いくら損失になるか?
②自分の資金に対して、いくらの損失まで受け入れられるか?
③①と②を意識したうえで、値動きから損切りのラインを決めて逆指値を入れる
学んだ感想
- 取引方法にはFASやMLOなど、専門用語がたくさん出てきましたが、細かい注文方法のところなので、どんなものかサラッと知っておくだけで十分だと思いました。
- 「ゆうじ。」さんの手法のなかで「疑心暗鬼の中でポジションを持つのである。その後、自分が思った通りの方向に値が動き、自信が出たら一瞬で枚数を増やす。」というのは、すごく分かります。株式投資でも、買った株の株価が上がったら、たいてい上がり続けるので、そこで買い増すことができるかが勝負なのかもしれません。
- 「堀川秀樹」さんの「先物でもっとも儲かる人は、小刻みに売買せずにずっと持っている人だ。」という言葉には驚きました。先物取引はデイトレードが基本だと思っていましたが、じつは中長期投資のほうが儲かる? これについてはシミュレーションで検証が必要です。
- 「ボラボラ」さんの手法の中で「いくら値が動くと、いくら損失になるか?を常に意識することが重要」という言葉には、納得です。これも株式投資と同じです。これが頭でイメージできないうちは、先物に手を出したら危険だと思います。
- 「トレーダーズウェブ」という投資サイトを初めて知りました。投資家向けの細かな情報が得られて便利そうです。さっそくブラウザのブックマークに入れておきました。
- 日経225先物をどのように取引したら良いかは理解できました。あとは実際に取引してみないと自分に合っているかどうか判断できないので、近いうちに売買にチャレンジしてみたいです。僕は株式投資では「損切り」はしない主義ですが、日経225先物はロスカット(損切り)を設定しないと大変なことになるな、ヤバイな、というのが今のところの感想です。
- 普段は先物取引は行わず、市場が暴落したときだけ先物取引を使ってリバウンド狙いするのも、手法としてはアリかなと思いました。