6月12日、シンガポールのリゾート地にある高級ホテルにて、アメリカのトランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が会談を行いました。
アメリカと北朝鮮のトップ同士が史上初めて対面するということで、世界の注目が集まりました。
日本時間の朝10時から会談が始まりました。僕は本業サラリーマンの仕事中だったので、リアルタイムの中継を見ることはできませんでしたが、昼休みにYahoo!ニュースを見ると「合意文書に署名」とあったので、「ちゃんと中止されずに開催されたんだな。」「合意文書に署名するということは、物別れに終わったわけではないんだな。」ということが分かり、ホッとしました。
当日の東証株式市場も、乱高下はありましたが、大幅な上昇も下落もなく、日経平均は前日比99円安で終える結果となりました。
米朝共同声明の内容
会談後、次の共同声明が発表されました。
(2018/6/12 日本経済新聞電子版「米朝首脳会談、共同声明の全文」より引用)
ドナルド・トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩国務委員長は2018年6月12日、初めての歴史的な首脳会談をシンガポールで行った。
トランプ大統領と金委員長は、新たな米朝関係の確立と、朝鮮半島における持続的で強固な平和体制の構築に関連する諸問題について、包括的で詳細、かつ誠実な意見交換をした。トランプ大統領は北朝鮮に安全の保証を与えることを約束し、金委員長は朝鮮半島の完全非核化への確固で揺るぎのない約束を再確認した。
新たな米朝関係の確立が、朝鮮半島と世界の平和と繁栄に寄与すると確信し、相互の信頼醸成によって朝鮮半島の非核化を促進できることを認識し、トランプ大統領と金委員長は次のことを言明する。
①米国と北朝鮮は、両国民が平和と繁栄を切望していることに応じ、新たな米朝関係を確立すると約束する
②米国と北朝鮮は、朝鮮半島において持続的で安定した平和体制を築くため共に努力する
③2018年4月27日の「板門店宣言」を再確認し、北朝鮮は朝鮮半島における完全非核化に向けて努力すると約束する
④米国と北朝鮮は(朝鮮戦争の米国人)捕虜や行方不明兵士の遺体の収容を約束する。これには身元特定済みの遺体の即時帰国も含まれる
史上初の米朝首脳会談が両国間の何十年にもわたる緊張状態や敵対関係を克服し、新たな未来を切り開く上で大きな意義を持つ画期的な出来事だったと認識し、トランプ大統領と金委員長は共同声明の規定を全面的かつ迅速に実行に移すと約束する。米朝首脳会談の成果を履行するため、米国と北朝鮮はマイク・ポンペオ米国務長官と北朝鮮の担当高官が主導して、できるだけ早い日程でさらなる交渉を行うと約束する。
トランプ大統領と金委員長は新たな米朝関係の発展と、朝鮮半島と世界の平和と繁栄、安全のために協力すると約束する。
ドナルド・トランプ米大統領
金正恩・北朝鮮国務委員長
2018年6月12日 セントーサ島 シンガポール
会談と共同声明の感想
共同声明には、期日を決めた具体的措置について何一つ言及がありませんでした。
過去に実施した六か国会合(アメリカ、ロシア、中国、韓国、北朝鮮、日本)のときと同じように、声明が「なし崩し」になる可能性はあります。
しかし、米朝のトップ同士が史上初めて会談し、握手と笑顔を交わしたという事実には意味があったと思います。
アメリカのトランプ大統領と北朝鮮の金正恩氏は、どちらも「お騒がせ者」という共通点があるので、その点で分かり合えるところがあったのかもしれません。
今後、もし北朝鮮が再び不誠実な行動をとった場合、米トランプ大統領は今度こそ軍事行動をとるかもしれない、という懸念はあります。
懸念はありますが、是非この会談を良い機会にして「朝鮮半島の非核化」や「日本の拉致被害者帰還」が実現していくことを願います。