明日の株価を100%当てられる人はいない
よく「株は連想ゲームだ」と言われます。「大風吹けば桶屋が儲かる」の発想で、何か事件が起こったとき、需要が増えそうなものを連想し、それを提供する企業の株を先回りして買っておく、という発想です。
また、投資関連の雑誌では「今のうちに買っておくべし!絶対上がる!お宝銘柄10選」みたいな文句で、今後急騰しそうな株を紹介する記事をよく見かけます。
これらに共通するのは「株は予想するもの」という考え方です。今から上がりそうな株を他の人より先に買っておいて、予想が当たったら大儲け、外れたら大損する、というゲームです。
たしかに連想や予想は、株式投資の楽しみかたのひとつであり、醍醐味であるかもしれませんが、僕自身は、株式投資は「予想するゲーム」だとは考えていません。
そういうふうに取引しても、継続的に株式投資で勝つことはできないと思っているからです。
たった一人の副業投資家が、株価を一生懸命予想したとしても、個人の能力には限界があります。機関投資家やファンドマネージャーなどプロの投資家集団には到底勝てません。情報量も、分析力も、経験も、投資に注ぎ込める時間も労力も、違いは歴然です。
それに、明日の株価を100%当てられる人は、この世にいません。予想してもムダとはいいませんが、自分の予想を信じすぎるのは危険です。あまり自分の投資判断を信用しない方が良いです。
後出しジャンケンの投資法
僕の投資スタイルは、連想や予想とは真逆の発想で、ズバリ「後出しジャンケン」という考え方です。
- グーを出した後で、パーを出せば勝ち
- パーを出した後で、チョキを出したら勝ち
- チョキを出した後で、グーを出せば勝ち
相場や株価が動いた後で、自分が動く、という考え方です。
- 株価が下がった後で、株を買う
- 株価が上がった後で、株を売る
ベンジャミン・グレアムの名著「賢明なる投資家」でもこう言っています。
第8章「投資家と株式市場の変動」より
株価が上がったから買い、下がったから売るということは、決してしてはならない。投資家が大きな間違いを引き起こすことがないよう、これをさらに明快に述べておこうーー「株価が大幅に上昇したすぐ後に株を買ってはならない。また、大幅に下落したすぐ後には絶対に売ってはならない」。
いちばん良くないのは、自分の予想が外れたからといって、精神的にうろたえてしまうことです。
うろたえたら、冷静な投資はできません。