ずっと株式投資を続けていると、自分のお気に入り銘柄に投資することが多くなってきますが、必ずしも「お気に入り銘柄 = 儲かっている銘柄」であるとは限りません。
冷静に取引成績を見返し、「どの銘柄の投資でいちばん儲けているのか(損しているか)?」を把握しておきたいです。
では、いつものように取引記録Excel管理表から集計・分析してみましょう。
取引記録Excel管理表からの集計手順
まず「銘柄」列を、フィルタ機能で昇順に並び替えてみます。
僕の場合、同じ銘柄の取引でも信用取引の場合は銘柄名の最初に「〔信用〕」という文字をつけていたり、NISA口座での取引の場合は銘柄名の最後に「〔NISA〕」という文字をつけていたりしますので、表記ゆれをなくすため、まずはそれら表記を取り除きます。
置換機能で、検索する文字列に「〔信用〕」を入力し、置換後の文字列に何も入力せず、すべて置換を実行します。「〔NISA〕」も同様に置換します。
つぎに「データ」タブの「アウトライン」グループにある「小計」を選択します。
※このへんの操作はExcelのバージョンによって異なります。
集計の設定画面で、集計するフィールドの「損益額」にチェックを入れ、その他の設定は下の画面のようにして〔OK〕を押します。
銘柄ごとに損益額が合計されました。
Excel画面の左端にアウトラインが表示されたので、左上にある「1」「2」「3」のボタンの中から「2」を押します。
銘柄ごとに集計欄だけが表示されました。
最後の仕上げに、右端の「損益額」列を昇順に並べ替えます。
損益額が少ない順に並び替わりました。
不要な列を非表示にすると、下の図のようになりました。
損した銘柄の第1位は「ツムラ(4540)」。あんまり損した感覚はなかったのですが、取引記録を見返すと、2011年にマイナス7%前後で300株を一気に損切りしていました。負けパターンの典型として、改めて反省。
損した銘柄の第2位は「日本乾溜工業」。株をはじめて間もない2010年頃、株主優待の図書券がほしくて買い付けたのですが、権利付確定日を過ぎたあとに暴落。1ヶ月半後にマイナス12.8%で損切りしました。数年後アベノミクスとともに株価は上昇し、現在は当時にくらべ3倍になっていますね。
さて、今度は「損益額」列を降順(損益額が多い順)に並べ替えてみたら、下の図のようになりました。
やはりお気に入り銘柄が上位に来ています。
儲かった銘柄の第1位は「江崎グリコ」、第2位は「キユーピー」でした。僕の場合、この2銘柄でほとんどの利益をあげていたのですね。この結果は驚きでした。
3位以下は「カルビー」「鳥貴族」「7&iホールディングス」「良品計画」「セブン銀行」「朝日放送」「TOTO」と続いています。
集計結果の感想
「自分が抱いていた、儲かっている(損している)銘柄のイメージ」と「集計結果」には、ズレがありました。
じつは儲かっていた銘柄、じつは損していた銘柄、に気づくことができたのは良かったです。
損した銘柄の一覧をながめて思ったのは、投資のセオリーでよく言われている「よく知らない銘柄に、思いつきで投資すると大やけどする(痛い目にあう)」ということを改めて認識しました。
考えてみれば、僕はツムラの漢方薬を使ったことはないし、日産自動車の車を持っていないし、ドクターシーラボの化粧品でお肌のケアをしたこともないのです。
目先の株価上昇だけに目がくらんではいけませんね。
逆に、儲かった銘柄の一覧をながめてみると、自分の投資スタイルと相性のよい銘柄が並んでいるのかなと感じました。上がりっぱなしでもなく、下がりっぱなしでもなく、ボックス圏内で上下を繰り返しながら徐々に上がっていく銘柄が合っています。
みなさんも取引記録を集計してみたら、新しい発見があるかもしれません。