信用取引の「売り」は未経験なので、今年はいちどは取引してみようと思っていて、いろいろと勉強中です。
その売りのルールの中に「現渡し」というものがあり、信用買いの「現引き」の逆バージョンだそうです。
正直なところ、いちどもやったことないのですが、「現渡し」が取引で有効かどうかシミュレーションしてみました。
現渡しとは
まずはSMBC日興証券サイトの「初めてでもわかりやすい用語集」から引用させていただくと
現渡し (げんわたし)
信用取引の決済方法のひとつで、売り建てた株式を決済するときに、買い戻しにより差額決済するのではなく、手元にもともとある、または他の方法で取得した同銘柄・同株数の株式を差し入れて決済することを「現渡し」といいます(「品渡し」とも呼ばれます)。制度信用取引の場合、6カ月という決済の期限がありますが、その間に株価が下がらなかった場合などに買い戻し以外の決済方法として利用されます。
とあります。
たとえばある株を1株2000円で信用売りして、同じ銘柄を1株2000円で現物買いしたとして、株価が予想に反して2200円まで上がってしまったとき、同じ銘柄の現物を信用売りの反対決済に使うことで、損益チャラ、無かったことにしてくれます。
現渡し取引のシミュレーション
現渡がお得な取引なのかシミュレーションしてみました。
- A株を100円で「現物」買いします。
- A株を100円で「信用」売りします。
- 株価が120円に上がった場合、「現物」株を差し入れて「信用」株を現渡しします。
⇒損益プラスマイナスゼロとなります。 - 株価が80円に下がった場合、「信用」株を返買します。
⇒+20円となります。
⇒「現物」株は下がっているので、含み損益が-20円です。そのまま売ったら-20円。長期戦で戻りを待ったら、もしかしたら損益ゼロで売れるかもしれません。
このシミュレーションから考察すると・・・
- 現物買と信用売を組み合わせることで、株価上昇時の信用売りの損失を回避できる。売りをメインで儲けようとするときのリスクヘッジとして使える。
- 信用売と同じ数の現物を取引する必要があるのは、アクセルとブレーキを同時に踏んでいるようで、メリットは感じられない。
実際に信用売りを経験してみることで、もっとちがった認識になるかもしれませんが、これが現時点での結論です。