昨年2016年に、はじめて信用取引(買い)をやってみました。
まだまだ勉強しながらですが、40回ほど信用取引して、いまのところ一度も損することなく取引できています。
手法としては、現物で保有している株やウォッチしている銘柄の株価が下がりに下がったときを狙って、ちょっとだけ信用買いして、少しだけ利益がでたら売ってしまうようにしています。
でも、これだけ慎重に取引していても、さらに下がり続けることがあります。じっくり待つのもひとつの手ですが、現物とちがい信用取引は保有しているだけで徐々に金利がかかりお金が減っていきますし(といっても年率で3%弱ですが)、制度信用取引という取引方法の場合は、買って半年後には必ず反対決済(つまり売却)をしないといけないので、なるべく保有期間は短くしたいものです。
そこで役立ったのが「現引き」です。
現引きとは
SMBC日興証券サイトの「初めてでもわかりやすい用語集」から引用させていただくと
「現引き(げんびき)」
信用取引の決済方法のひとつで、買い建てた株式を決済するときに、反対売買により差額決済をするのではなく、自分の手元にある現金で、株式を引き取ることを「現引き」といいます(「品受け」とも呼ばれます)。制度信用取引の場合、6カ月という決済の期限がありますが、その間に思い通りに株価が上がらなかった場合などに、引き続きその株式を保有するために利用する方法です。
とあります。
たとえばある株を100株2000円で信用買いしたあと、株価が1800円まで下がってしまったとき、その100株を現物株として現金で買い取ることができます。現引きしたあとは、含み損200円の現物株が手元に残ることになります。
現引きにメリットはあるか?
最初にこのルールを知ったときは「えっ、そんな裏技的なことやっていいの?」とおどろいて、なんとかこのルールを利用してウマい投資手法を編み出せないか、自分なりに考えてみました。
たとえば「同一銘柄を、信用と現物の両方で保有し、現引きを駆使しながら取引したら勝つ確率があがるんじゃないか」と思い、シミュレーションしてみました。
- A株を100円で「現物」買いします。
- A株を100円で「信用」買いします。
- 株価が120円に上がった場合、「現物株」を売り、信用株を返売します。
⇒合計+40円の利益となります。 - 株価が80円に下がった場合、「信用株」を現引きします。
⇒現物株80円が2株になりましたので、-40円となります。
このシミュレーションから考察すると・・・
- 現引きをした場合、損失が出た信用建玉を無くせるメリットはある。
- しかし、結局最初にすべて現物買いしたときとリスクは同じこと。
- それであるなら、値下がりした時点で現物をナンピンしたほうがメリットがある。
となりますので、結論としては、
現物と同じ銘柄を信用取引で「現引き」することにメリットはない。
となります!