株式投資とはあまり関係のない話ですが、数年前の日経新聞で印象深かった記事をご紹介します。
2014年10月17日の日本経済新聞朝刊『やさしいこころと経済学「他人の役に立ち幸福に」』(著者:慶応義塾大学の大垣昌夫教授)という記事です。
「他人の役に立ち幸福に」記事の抜粋
記事の一部を抜粋します。
カナダのブリティッシュ・コロンビア大学のエリザベス・ダンらは、他人のためにお金を使うと予想外に幸福感が増すという仮説に整合的な実験結果を報告しています。
実験では学生の参加者に5ドルか20ドルを朝に与えて、午後5時までに使うよう指示しました。
その際、一つのグループは自分のために使うように、もう一つのグループは他の人のために使うよう条件をつけました。
参加者は朝にお金を受け取る前と、夕方にお金を使った後に、幸福感を測る質問に答えました。
参加者の幸福感の上昇は他の人のために使った方が、自分のために使った方よりも統計的に有意に高かったのに対し、5ドルを受け取るか20ドルを受け取るかは幸福感に有意な影響は与えませんでした。
我々は、自分のためにお金を使うと幸福になると予想しがちなのですが、これは誤解であって、現実には他の人との絆が深まる行動をすると幸福になっていくことを示唆する実験結果です。
記事を読んで考えたこと
実験結果からすると、つまり
↓
幸福感をおぼえる(幸せになる)
よりも、
↓
他人との絆が深まる(お礼を言われる、感謝される)
↓
幸福感をおぼえる(幸せになる)
のほうが、より幸せを感じやすいことが実証されたことになります。
アメリカンドリームをつかんだ大金持ちは慈善事業などに寄付を行うことが多いと聞きますが、この実験結果の心理が働いているのかもしれません。
頭に浮かんだのは「情けは人のためならず」という日本のことわざです。
人に親切にすれば、その相手のためになるだけでなく、やがてはよい報いとなって自分にもどってくる
という意味ですが、この実験結果からすると、人に親切にする行為そのものが、その人の幸福感にダイレクトにつながっていくことになります。
だとすると、「人に親切にすれば、その相手のためになるだけでなく、すぐに自分のためになる」のでしょうか?
もしこれが真実だとしたら世の中もっと良くなるんじゃないかと思うのですが、現実はちがっていて、人々は私利私欲に従って動いています。なぜなのか?
・・・なんだか話がややこしくなってきたので、このへんで切り上げます。