株をはじめたきっかけの話です。
株式投資をはじめたのは2008年で、三十代のときでした。
あのリーマンショックが起こる、ちょっとだけ前のことでした。
それまでの僕は、株式投資とはまったく無縁な人間でした。
それどころか、株をやってる人といえば「いかがわしいことやって金もうけしてるずる賢いヤツ」というネガティブなイメージさえ持っていました。
ある日、同世代の仕事仲間と二人で飲みに行く機会があり、新聞を読んでいるかどうかという話になって、そのとき彼がこんなことを言いました。
「新聞は、真ん中の株価欄のところがいちばんおもしろい!」
株価欄がおもしろいだって?僕もいちおうビジネスマンの端くれなので、新聞はたまに読んではいましたが、株価欄のあの数字の羅列だけは興味がもてず、いつもすっ飛ばしていました。だから彼の言葉は新鮮でした。
聞くと、彼はサラリーマンのかたわら、じつは数千万円を動かす個人投資家だということをはじめて知りました。だから、株価欄は常にチェックしているということでした。
「でも、いったい株の何がおもしろいんだろう。」と、そこから株に対する興味がわいてきて、自分で本を買って勉強したりネットで調べたりして、投資をはじめることになり、いまに至っています。
今では僕も、新聞でいちばん面白いのは株価欄や企業決算のページだと思うほど、株にのめり込むようになりました。
株価欄がいちばんおもしろい理由ですが、僕の理由は次のとおりです。
- 自分が身銭を投じている銘柄のニュースというのは、世間のどんなトップニュースよりも気になるニュースだから、株価欄がいちばんおもしろい。
- 株価欄の数字は、ただの数字の羅列ではなく、「投資家の心理」や「経済活動のダイナミズム」を映し出しているものだから、数字から人間が見えてくる。だから株価欄がいちばんおもしろい。